「頑張れ」って言葉はNGでしょうか?
目次
医療学校での学生さんへの問いかけです。
「完治させることが難しい病気になり落ち込んでいる患者さんに、どのような言葉をかけますか?」
とある医療系の教授が学生さんに質問したところ、
学生さんの一番多かったのが、
患者さんに「頑張れ」と言ってはいけない
という意見だったそうです。
でも、
本当に「頑張れ」って言ってはいけないのでしょうか?
生きていくなかで、「頑張らず」に済むことはありません。
家族の介護で
頑張るためにはどうしたらいいのか?
についてお話していきます。
家族の介護での心得になります。
「頑張れ」がNGになった理由
「頑張る」と言う言葉がNGワードになってしまったことについては、
日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子さんによれば、2000年以降だそうです。
以前は自分を励まして勢いづけたり、奮い立たす言葉、また人に対して応援する言葉だった「頑張る」という言葉がNGワードになってしまったのは、「心の病」が労災認定されるようになってからだそうです。
「間違った頑張れ『目標設定』」
なぜ、頑張れという言葉がつかいづらく毛嫌い(?)されてしまったのでしょう。
それはきっと「目標設定」が間違っているのです。
さきの患者さんの治らない病気だとして
「病気が治ること」をゴールにしたら?
どんなに患者さんに「頑張れ」といったとしても、
患者さんが「頑張った」としてもそれは報われません。
患者さんが「頑張れ」と励まされたとき
「こんなに頑張っているのに…」
「もうこれ以上頑張れない…」
と思うの状態になって、
無理なことならばギブアップして
途中で投げ出したくなってしまいます。
「頑張れ」は、一緒にあゆむ言葉。
まずは、その1
[あいての人の意志力だけに頼らないことです]
頑張ることじたいが悪いことではありませんよね。ただ、人は一時的には頑張れても、続かないのです。意志の力は、使えば減っていくガソリンのようなものですし、モチベーションほどあてになりません。
そして、その2
[あいての人と小さな目標を立てることです]
家族の介護では目標が高すぎる傾向があります。
例えば、
家族のだれかにやってもらい自分の生活リズムは維持する。
これって実は目標が高すぎるのです。
頑張りすぎて息切れしてしまいます。
ひとりだと意志も体力も消耗して続けられなくなります。
だって、
親が老いてく中で、なかなか思うように体の状態は改善していかないし
そもそも、素直に親は「うん」と言ってくれません。
つかれたてしまい、息切れしてしまいます。
生活の中で、家族のおさら洗う・洗濯をするなどの小さなことから目標をたてて行うことです。
こんなことでいいの?って思われるかもしれませんけど。
いいのです!
だから、頑張るという言葉は、
ひとりよりふたり
家族の介護で一緒に歩むという意思表示です。
家族の介護「頑張る」にはチューニングが必要
一緒に歩む家族の介護で「頑張り」し過ぎていたら
・日常生活の一本ネジをゆるめてあげる。
・目標の小さくしてハードルを下げてあげる。
・ペース・速度をゆるめてあげる。
・認めて、ほめてあげる。
・一緒の時間をつくる。
少し休みながら、目標のハードルを下げてあげて一緒にいるといったシンプルで簡単なことです。
そうしてこころの「チューニング」をしてあげてください。
一緒に家族の介護をしているからこそ、その場面は気づきます。
さいごに
最後に、はじめに出てきた医療系の教授の学生さんに対してのはなしの続きです。
「患者さんのことをきちんと理解して状況を把握して、適切なゴールを設定してあげる必要があります。病気が治ることをゴールせず分割して,ひとつひとつ解決。ゴールが適切であれば、『頑張れ』という言葉は患者さんの励みになるはずです」と、話されています。
家族の介護だって
ひとりじゃないから頑張れる。
だから、頑張る
頑張るって言葉も、
「眼張る」や「我張る」など諸説あるようです、
一緒に頑張れたら問題だって乗り越えて明るくなれます。
「頑張る」「頑張れ」っていい言葉です。
だって「顔晴(ガンバル)」になるわけですから。