認知症の一人暮らし

1、認知症の一人暮らしについて

認知症になっても一人で暮らしている方は多いです。ある日突然不動産屋さんから、アパートの立ち退きを言い渡される!?

あなたのなら、どうしますか?

 

認知症の一人暮らし、安穏と送っている日常生活でした。

ところが、ある日突然「立ち退き」を言い渡されました。

 

本人の意思や意向に関係なく起こった出来事です。

 

認知症の方の転居は環境が変化すると大きな不安の要因となり、

加えて生活リズムが大きく変わるため認知症の進行を早める事が

あります。

 

今回は、「認知症の一人暮らしの立ち退き」実話をベースに

私のとった対応について2回にわたりお伝えします。

 

 

2、【認知症の一人暮らしは生活できるの?】

そもそも、認知症で一人暮らしは生活できるのかという質問。

答えは「YES」です。

火の取り扱いに問題がなければ基本的にできます。

 

しかし、あなたにとって

認知症の一人暮らしにもつイメージはどんなものでしょうか?

 

●「認知症の一人暮らしなんか考えられない…」

●「危なくて、むりでしょう…」

●「すぐ忘れてしまい、そもそもコミュケーションがとれない…」

●「どこかへ行ってしまう、徘徊なんか信じられない…」

 

つまりは認知症になったら一人暮らしは大変だと…。

確かにまわりの人…大変ですよね。

 

では、なぜそのようなイメージになるのでしょうか。

 

メディアで流される、暗くなるような内容のニュースだったり

TVドラマなどでよくある、

認知症の方の会話が成立しない、急に暴れ出したりするシーン。

 

なるほど、現実にもあります。

 

しかし、あなたが知っている認知症の方の

不可解な行動や困った行動には、

ご本人なりの理由があるのです。

 

実際、認知症の方の多くの高齢者は、コミュニケーションがとれます。

 

あなたが感じる、その不可解な行動や困った行動に対する

対応の仕方が分からないので、

あなたは、現実的に困ったと感じるのではないかと思います。

 

 

3、【認知症の立ち退き】

題して、

『認知症高齢者立退き事件簿』

朽ち果てた4件の長屋、そこに一人きりで暮らしている高齢者。

(実際の現地です)

ご兄妹はすでにお亡くなりになっていて、遠く離れてた県外に甥っ子や姪っ子が住んでいました。

 

言ったことは曲げません!

 

「人の筋」を大切にする筋金入りの頑固な95歳のマツさん(仮称)で

 

さっき話したことなど、すっぽり記憶から無くなることだってあります。

気になっていることは、何回も繰り返して話してくれます。

 

 

4、【ケアマネジャーへの電話】

今から3年前のこと

 

梅が咲き始めて

太陽の日差し

小鳥のさえずりも

なんだか心が軽くなる春のおとずれを感じ始めた昼下がり

 

一本の電話から始まったのでした。

 

「マツさんがお住いの場所ですが、開発になり立ち退きをお願いしたい思っています。役所のケースワーカーさんから担当ケアマネジャーと相談して欲しいと言われたのでお電話しました…云々」というご挨拶。

 

数日後…

「マツさんにおうかがいする約束しましたが、行ってもいません…どうにかして下さい」。

不動産屋さんからの電話

 

 

う~ん? ケアマネジャーに

どうにかして下さい?

どうにかして下さい。

どうにかしろってか!?

 

(つづく)

 

次回は、「思った通りの状況へ!?」の対策と行動、最後は…をお伝えします。