【ありがとう…7年目ではじめての言葉】
お風呂に入り、ほっとした表情の宗次郎さん92歳
「ありがとう…」と
その言葉が印象的でした。
いつもは、「うん」
としか返事してくれないのでした。。。
【カネさん(奥さん)さんの一言】
カネさんの介護は訪問ヘルパーの入浴介助サービスです。
ある日、自宅のお風呂につかりながら
「あ~気持ちいい~。お父さん(宗次郎さん)どうしてるかなぁ~」
2階建ての戸建に住むカネさん(当時83歳)は息子さんと夫の宗次郎さん(当時85歳)の3人暮らしだと聞いていました。
しかし、宗次郎さんをみかけたことはありません。
若めのスニーカーとカネさんのサンダルは玄関でみるけど
高齢者の男性が履くようなクツなど見たことありません。
「2階の部屋にいるんだけど…」
実は、宗次郎さん定年退職してから部屋にずっといるのでした。
【9125日目のふれあい】
あなたのご家族や身内の人で
9,125日間、喋らないで過ごしている人いますか?
9,125日間、テレビを見ないで過ごしている人いますか?
9,125日間、病院に行かない人いますか?
9,125日間、髪の毛を伸ばしている人いますか?
9,125日間とは、25年間のことです。
25年、だれとも触れ合わずにいきていけますか…?
【ほっとけない???】
理想を言うのは簡単です。
年を重ねていくことは、私たちが想像する以上にうまく行かないこともあります。
現実と理想は違います。
そして、思ったようにいかないのが、
親の介護
身近な人の介護
したいけど…
それぞれの心が複雑に絡みます
思うようにいかないのが普通だと思います。
【笑顔はなんでもパスポート】
おはよう、こんにちはのご挨拶
そして、ちょこまか掃除(家事援助)
なにかに理由をつけて
ちょこまか
1秒⇒(離れる)⇒30秒⇒(離れる)⇒60秒⇒(離れる)の積み重ね
潜り込んでいた布団から出てきた宗次郎さん
容姿は……
仙人のように白いヒゲがのび放題
焦げ茶色のランニングシャツにパンツ
真っ黒な顔
そんなことを思い出しました。